SVパラグアイ渡航について(担当教員:藤掛洋子)

2012年度より準備を行い、2013年度より行っている横浜国立大学グローバル・スタディーズ・プログラム:ショートビジットプログラムパラグアイ(以下、SVパラグアイ渡航)を担当している横浜国立大学教授の藤掛洋子です。わたくしの専門は、文化人類学者、開発人類学者、パラグアイ地域研究者であり、1992年より国際協力の現場に入り、実践活動も展開しています。

ここでは2012年度により準備を行い、2013年度より毎年継続して実施しているパラグアイ渡航について説明いたします。2016年度、2017年度はパラグアイに加えてブラジルに、2018年度、2019年度はパラグアイに加えてボリビアの日系移住地や学術交流協定大学も訪問し、異文化理解や国際協力の実践を行い、日本と 南米をつなぐ架け橋となるべく様々なことに取り組んでいます。

☆1年生より履修できる全学教養科目:「パラグアイ事情」は、南米パラグアイの歴史・社会・文化・経済・ジェンダー・先住民族の言語グアラニーなどを学んだ上で、パラグアイ渡航において具体的な国際協力の実践を行うことを想定している。もちろん、机上の学びだけでも十分であるが、現地でフィールド実践をするための企画力、フィールド調査の基礎、PCM基礎力を習得し、パラグアイ・ボリビア渡航においてそれらを運用することができるよう授業を組み立てている。パラグアイ事情とSVパラグアイ渡航は連動した科目となっている。

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【本渡航プログラムが目指すもの】

1.学術交流協定大学との国際交流や研究交流の推進

2.教室における国際協力や開発人類学、フィールド調査、異文化理解の学びに留まらず、JICAや現場で活動するNPOと連携した現場における実践経験の蓄積

3.パラグアイやブラジル、ボリビアなどの日系移住地等の訪問を通じ、戦前・戦後に南米に移住した日系の方々との交流とこれからの連携について学び考える。

4.参加者個人が考えるグローバルな知の実践活動の展開

これらの活動を通し、複眼的思考を醸成し、異なる文化や価値観を持つ人々とつながり、新しい知を生み出すことのできる若者を育成を目指しています。活躍の場所は、 日本や先進国のみならず途上国・新興国、どのような場所でも可能です。

【本プログラムで行っている/きた活動】

1.学術交流協定大学との学術・学生交流の実施

2.農村における学校建設支援・農村やスラムの学校における教育の質の向上にかかる支援

3.農村やスラムにける生活改善支援、シングルマザーや子どもたちを対象にした栄養改善、所得創出活動の支援(例:加工食品のコスト計算指導、ブランディングサポート、ワークショップサポート)

4.日系移住地訪問と移住の歴史にかかるヒアリング、日系青年との交流を通じた日本と南米の架け橋プロジェクトの実施

5.農村における道普請プロジェクト

6.国内において学校建設やスラムの生活改善プロジェクトのためのクラウド・ファンディングの実施

7.日記やブログ等の記録作成、映像記録の作成(ドキュメンタリーなど)

8.国内におけるフェアトレードの研究・実践活動

9.帰国報告会の実施

【本プログラムの背景と特徴】

【背景】

担当教員が1993年よりパラグアイ共和国において国際協力の実践に関わり、以降、パラグアイのみならずチュニジア、ホンジュラス、ペルー、グアテマラ、バングラディシュ、ザンビア、トンガなどで国際協力の研究/実践を行ってきました。また、2016年9月より横浜国立大学全学一丸となってにJICA草の根技術協力事業:パラグアイ農村女性の生活改善プロジェクトを実施しており、そのプロジェクトマネージャーとして研究実践活動を行っています。これらが政府開発援助に関わる部分です。同時に、ミクロレベルの支援の必要性も痛感しており、NGOの代表として1995年以降、パラグアイの農村の生活改善や教育支援、学校建設、スラムの生活改善、女性のエンパワーメントなど様々な支援活動を行っています。これらがNGOとしての活動です。

【本プログラムの特徴】

以上の背景により、引率教員がパラグアイ社会において多くの社会関係資本を有していることは参加学生にとっても安全面の確保やネットワークの拡大に優位に働きます。

また、参加学生たちにとっては以下の点がしんどさでもあり魅力でもあると考えます。

1.長期的な視点で取り組める点:準備期間は1年以上、現地滞在30日以上、先輩や後輩、 現地カウンターパートと連携し、継続して活動が展開できる )

2.多くのカルチャーショックを受け、自己の相対化が促される: 都市や農村におけるパラグアイ人家庭でのホームステイ体験、スペイン語やグアラニー語での困難ではあるものの楽しい意思疎通、 当たり前だったものが覆る数々の瞬間への遭遇・・・

3.現地で活動するJICAやNPO等と連携している点:現地のニーズに沿った活動、 本の中では学べない国際協力の実践の難しさと可能性 ・・・

4.参加者である学生自身が取り組むプロジェクトを立ち上げ、推進できる点:自分自身の将来をプロジェクトし、専門性を高めていくことができる

5.英語のみならず第二外国語としてのスペイン語の修得、先住民族の言語等も学べる

6.自分で考える地球市民的実践の展開

【連携組織・団体】

学術交流協定大学:パラグアイ共和国アスンシオン国立大学、カアグアス国立大学、NihonGakko大学、

ブラジル連邦共和国サンパウロ大学

ボリビア多民族国:ガブリエル・レネ・モレノ大学

NGOJuvenSur、特定非営利活動法人ミタイ・ミタクニャイ子ども基金他多数

【参加者一覧】