【横浜国立大学長とアスンシオン国立大学が学生交流協定を更新】
2019年8月30日(金)長谷部勇一学長(代行:藤掛洋子学長補佐)は、Dra.Zuri Vera博士アスンシオン国立大学学長と学生交流協定の更新にかかる署名を行いました。
アスンシオン国立大学とは、2012年に大学間学術交流協定調印以来、研究者ならびに学生の派遣・受け入れ等、活発な学術交流を重ねてきました。この度の協定更新により、一層協力関係が深まっていくことが期待されます。
アスンシオン国立大学において国際シンポジウムが開催され、本学より藤掛洋子教授、都市イノベーション学府生、国際社会科学府、都市科学部社会共生学科の学生10名が参加しました。
日時:2019年8月30日(金)9時30分~12時
場所:パラグアイ・アスンシオン国立大学サンロレンソ校舎
テーマ:国際シンポジウム:大学が取り組むジェンダー視点に立った社会経済開発(Simposio Internacional:Cooperación Universitaria para el Desarrollo Económico Social desde perspectiva de género)。
国際シンポジウムは、挨拶と第一部の学術報告、第二部の学生による報告、交流会という構成で行われました。使用言語は全てスペイン語になります。
開会挨拶:アスンシオン国立大学Zuri Vera博士
国際シンポジウム背景説明:Hermerinda Hortega博士・上院議員・NihonGakko大学副学長
国際シンポジウム主旨説明:藤掛洋子横浜国立大学学長補佐・都市イノベーション研究院教授
<第一部:学術報告>
第1報告・Carlos Perisアスンシオン国立大学教授:“Cooperación internacional como factor de empoderamiento de género”(ジェンダー・エンパワーメントの分野における国際協力)
第2報告・Néstor Molinasアスンシオン国立大学教授:“No fronteras: Ni rural ni urbano”「農村と都市に境界はない(含む教授と学生によるデモンストレーション)」
第3報告・藤掛洋子横浜国立大学教授: “Empoderamiento De Las Mujeres Y Sus Desafíos
Estudio De Casos Del Proyecto Mejoramiento De La Calidad De Vida De Las Mujeres Rurales Del Paraguay”(女性のエンパワーメントとその課題:パラグアイ農村女性の生活改善プロジェクトを事例として)
第4報告・Carlos Hernán Avalos Valdez横浜国立大学大学院都市イノベーション学府博士前期課程2年: Los Hombres Como Beneficiarios Indirectos Y Su Comportamiento Sobre La Mujer:Estudio De Caso En El Proyecto De Empoderamiento De Las Mujeres Rurales Del Paraguay(間接受益者としての男性の女性への姿勢にかかる研究:農村女性のエンパワーメントプロジェクトを事例として)
第一報告では、カルロス・ペリス教授より、ジェンダー・エンパワーメントの分野における国際協力について報告があり、第二報告では、ネストル・モリナス教授より、学問を深めることで「知識人」となることは、一方で農村の価値を見出しにくくなること、農村には農村ならでは価値があり、その価値を理解するために「知識人」としての自己を一旦開放することが必要であることが報告された。藤掛洋子教授より、パラグアイ農村女性の生活改善プロジェクトを事例として、女性のエンパワーメントが重要であるとともに、それに伴う課題が発現するため、それらの解決のためにどのような取り組みが求められるのか、また、農村独自の価値規範と西洋近代のジェンダー概念をどのように折り合いをつけることが可能なのか、ブエン・ビビールの概念を用い報告した。第四報告では、パラグアイからの留学生であるカルロス・アバロス都市イノベーション学府博士前期課程2年生より、パラグアイ農村部に残るマチスモ思想について、パラグアイの植民地の歴史や先住民族の言語であるグアラニー語との関係性の中で考察した。
<第二部:学生による報告>
入山都香・皆川華野横浜国立大学都市科学部都市社会共生学科2年:Difundir el Ñanduti
en Japón(日本でニャンドティを広めるために)
張莉佳・加藤仙丈横浜国立大学都市科学部都市社会共生学科2年:Doble Identidad(ダブルアイデンティティ)
住山智洋・奥亮介横浜国立大学都市科学部都市社会共生学科2年:Sistema De Purificación De Agua(水の浄化システムについて)
五十嵐大地横浜国立大学都市科学部都市社会共生学科3年:La Caña Paraguaya Y Su Presencia
En La Identidad De Los Paraguayos Y Paraguayas (パラグアイのカーニャとパラグアイの人々の認識)
第二部では、本シンポジウムに参加した学部学生たちによるスペイン語での研究報告も行われた。学部学生たちにとり、このような大舞台でのスペイン語での報告は初めてであったが、1年かけて準備してきたことから多くの反響を得、会場からは多くの質問やコメントが出され、大変充実した時間となった。
第三部の交流会では、アスンシオン国立大学とNihon Gakko大学の学生による伝統的なダンスが、横浜国立大学の学生からは盆踊り(炭坑節)が披露された。アスンシオン国立大学の学長や学部長も盆踊りを共に踊り、異文化理解も深めることができました。