文責:柴田夕奈、編集:藤掛洋子
2023年7月3日(月)、7月10日(月)に、横浜国立大学にて「YNU×JICA日系次世代育成研修会」を行いました。7か国(ブラジル、パラグアイ、アルゼンチン、メキシコ、コロンビア、ボリビア、ペルー)から20名の大学生が来日し、横浜国立大学に集いました。「日系次世代育成研修会」は、JICA(国際協力機構)が中南米日系大学生を対象に実施するプログラムです。日系人の大学生は一か月ほど日本に滞在し、研修を受けました。その研修の一部を本学・藤掛洋子研究室で受け入れました。
今回の「YNU×JICA日系次世代育成研修会」は、藤掛洋子研究室の学生らが中心となって開催しました。ここ数年は新型コロナウイルス流行により、対面での研修会は実現できていませんでした。久しぶりの対面での交流を前に、学生らは手探りながらも、胸を膨らませて準備を進めました。
ドタバタしながらも迎えた当日。1日目は、藤掛洋子教授のスピーチから始まりました。ざわざわした心を落ち着かせながらも、にこやかに聞き入る日系学生らの姿が印象的でした。続いて、本学で研究に励む以下の留学生(パラグアイとメキシコ)がプレゼンテーションを行いました。
都市イノベーション学府都市地域社会専攻
・博士前期2年:CONTRERA・ IBUKI、CHRISTOPHER・KEN(コントレーラ イブキ クリストファー ケン)氏
・博士前期2年:UEHARA、ELINA・ERI(ウエハラ エリナ エリ)氏
・研究生:CONTRERA・ IBUKI、AMANDA ・SAKURA(コントレーラ イブキ アマンダ サクラ)氏
彼ら・彼女らも日系としてパラグアイとメキシコで生まれ、「YNU×JICA日系次世代育成研修会」の参加をきっかけに、本学へ留学しました。自身の「日系」としての経験を、今回参加した日系学生に話してくれました。
真面目にプレゼンを聞いた後は、お楽しみの学食タイム。「何食べたいー?」「このメニューはね、」など、日系学生に説明しながら、一緒に食事を楽しみました。プログラム開始時は緊張気味だった日本人学生らも、食事を通して交流するうちに、自然と笑顔が浮かんでいました。午後のプログラム前に実施した「絵しりとりゲーム」も、ワイワイと盛り上がりを見せ、すっかり仲良くなりました。
午後は、日本人学生のプレゼンテーションからスタート。「農業」「食」「観光」「ジェンダー」「貧困」「多文化共生」の6テーマに分かれ、グループごとに英語で発表しました。内容は、日系学生と共に考えたいことを軸に、ゼミで学んだことや各々の関心を形にしました。異学年合同で進めたプレゼン準備。限られた時間の中で行う議論やプレゼン作成には、皆が苦労したと思います。それでも当日は、各グループ工夫を凝らしたプレゼンを披露していました。
プレゼンの後に行ったのは、プレゼン内容やテーマに関するディスカッション。日系・日本人学生合同のグループを作り、英語や日本語、イスパニア語で話し合いました。研修会2日目には、この合同グループで新たにプレゼンを行うため、その準備も進めました。
一週間後の実施となった2日目は、プレゼンの準備でスタート。日系学生と日本人学生合同で行う最終プレゼンが、研修会のメインイベントです。短い期間ですが、SNSで連絡を取り合い、グループごとにプレゼン作成に努めました。お昼休みをはさみ、
ここでは、プレゼンのタイトルのみ紹介します。農業グループ「GMO’S AM」、食グループ、「Vegan and Vegetarian」、観光グループ「Tourism and festival」、ジェンダーグループ「BEAUTY STANDARD: Japan X Brazil, Mexico & Argentina」、多文化共生グループ「Working system from different perspectives」、貧困グループ「SCHOLARSHIPS」。各グループ、素晴らしい発表を披露してくれました。普段学んでいる内容も、新しい視点が加わることで、刺激的な時間となりました。
プレゼン終了後は、マツケンサンバやラテンの音楽で踊りました。かなりの盛り上がりを見せ、普段は物静かな学生も笑顔を浮かべていたのが印象的です。楽しい時間はあっという間に過ぎ、研修会は終わりの時間に。みんな別れを惜しみ、抱き合ったり、写真を撮ったりしていました。大学での学びを深められたのはもちろんですが、国際交流を楽しめたことが一番の収穫だと思います。このような貴重な機会をご用意くださった関係者の方々に、心より感謝いたします。