世界でただ一つ!?横浜国立大学全学教養科目2016年度「パラグアイ事情」開講

みなさまこんにちは。
世界でただ一つ!?
横浜国立大学の全学教養科目として2016年度「パラグアイ事情」を今年度も開講しましたのでご紹介いたします。
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本授業の目的
中南米の中で経済成長が著しい南米パラグアイ共和国について、言語・文化・歴史・政治・経済・社会・宗教などを踏まえた上で都市と農村の状況、ジェンダー課題などを幅広く学び、大学で展開する現地フィールド・スタディや国際協力に役立つ知見を獲得していただくことを目的としています。
履修者の中にはこれまでにパラグアイで実際にフィールドワークをしてきたもの、これからパラグアイに渡航するものをおり、活気あふれる授業を展開することができました。
【シラバス】
第1回目 7/4 1限 ガイダンス・ラテンアメリカラ・プラタ地域におけるパラグアイ(担当教員:藤掛洋子)
第2回目 7/4 3限 パラグアイへの日系移住の歴史と現在(担当教員:高島笑里氏・佐藤鈴木誠吾セルヒオ氏)
第3回目 7/4 4限 パラグアイ伝統工芸:ナショナリズムと伝統工芸ニャンドティ(担当教員:藤掛洋子)
第4回目 7/4 5限 パラグアイのジョパラ文化と言語:グアラニー語について(担当教員:藤掛洋子)
第5回目 7/5 3限 パラグアイにおける国際協力:都市・農村・スラムの開発とジェンダー課題(担当教員:藤掛洋子)
第6回目 7/5 4限 サバイバルグアラニー:パラグアイのグアラニー語1(担当教員:緒方マルタ氏)
第7回目 7/5 5限 サバイバルグアラニー:パラグアイのグアラニー語2(担当教員:緒方マルタ)
第8回目 7/6 1限 パラグアイの歴史:植民地と布教(担当教員:武田和久氏)
第9回目 7/27 2限 海外で働くために:プロトコールの基礎知識と外交儀礼(担当教員:坂根宏治氏 )
第10回目 7/6 3限 パラグアイにおける農村・都市開発:PCM実践(担当教員:三好崇弘氏)
第11回目 7/6 4限 パラグアイにおける農村・都市開発:PCM実践(担当教員:三好崇弘氏)
第12回目 7/6 5限 パラグアイにおける農村・都市開発:PCM実践アドバンス(担当教員:大迫正弘氏)
第13回目 7/6 6限 パラグアイにおける農村・都市開発:PCM実践アドバンス(担当教員:大迫正弘氏)
第14回目 7/8   1限 サバイバルスパニッシュ1)担当教員:佐藤ラファエル氏)
第15回目 7/8  3限 サバイバルスパニッシュ2)担当教員:佐藤ラファエル氏)
7/11 パラグアイ事情プレゼンテーション(履修者全員)
レポート提出
【授業風景】
第1回目 ガイダンス・ラテンアメリカラ・プラタ地域におけるパラグアイ(担当教員:藤掛洋子)
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近年大きな経済成長を遂げつつある南米大陸中央南部に位置するパラグアイ共和国。そう遠くはない将来、途上国から新興国に仲間入りする大変活気のある国です。農業立国であるパラグアイにはそれでも都市と農村部の格差の問題、ジェンダーの問題、先住民族の文化をどのように保全することができるのかなど多様な課題に向き合うことも必要です。第一回目の授業では、ラ・プラタ地域の成り立ちやパラグアイという国がどのような歴史の中で形成されてきたのかについて学びました。
第2回目 パラグアイへの日系移住の歴史と現在(担当教員:高島笑里氏・佐藤鈴木誠吾セルヒオ氏)
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この授業ではJICA青年海外協力隊事務局にご勤務の高島笑里さん(元パラグアイ日系青年ボランティア)とパラグアイからの留学生である佐藤鈴木誠吾セルヒオさんよりパラグアイの日系社会の形成の歴史と現在について話してもらいました。マテ茶の回し飲みでは大変な盛り上がりを見せました。文化を知るという大切な一歩である時間になりました。
第3回目  パラグアイ伝統工芸:ナショナリズムと伝統工芸ニャンドティ(担当教員:藤掛洋子)
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この授業ではパラグアイの伝統工芸品であるニャンドティ(蜘蛛の糸)がどのような歴史的経緯で生まれてきたのか、パラグアイのイタグアの女性たちがどのような思いでニャンドティを作っているのか、そして今日的な課題は何かについて私の研究成果(*)を元にお話をしました。
*文部科学省科学研究費新学術領域研究「古代アメリカの比較文明論」(研究代表青山和夫)A4班「植民地時代から現代の中南米の先住民文化」(研究代表鈴木紀、藤掛は研究分担者)
第4回目 パラグアイのジョパラ文化と言語:グアラニー語について(担当教員:藤掛洋子)
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この授業ではパラグアイの公用語の一つであるグアラニー語がどのように分布し、人々の日常生活にどのように溶け込んでいるのか、そして今日的な課題は何かについて私の研究成果(*)を元にお話をしました。
*文部科学省科学研究費新学術領域研究「古代アメリカの比較文明論」(研究代表青山和夫)A4班「植民地時代から現代の中南米の先住民文化」(研究代表鈴木紀、藤掛は研究分担者)
第5回目 パラグアイにおける国際協力:都市・農村・スラムの開発とジェンダー課題(担当教員:藤掛洋子)
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パラグアイの都市と農村部に残る格差やジェンダー課題について具体的な事例を上げながら解決のための方策についてワークショップ形式で討論を行いました。
引用参考文献:
・藤掛洋子(2008)「農村女性のエンパワーメントとジェンダー構造の変容ーパラグアイ生活改善プロジェクトの評価事例よりー」、 国際ジェンダー学会誌  6巻 (頁 101-132)
・藤掛洋子(2007)「パラグアイの農村女性:日常実践とエンパワーメント」、『朝倉世界地理講座:大地と人間の物語 14 ラテンアメリカ』 (頁 342-350)
第6回目  サバイバルグアラニー:パラグアイのグアラニー語1(担当教員:緒方マルタ氏)
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マルタ先生によるサバイバルグアラニー語講座です。パラグアイの方々とラポールを形成するために必須です!
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第8回目 パラグアイの歴史:植民地と布教(担当教員:武田和久氏)
スペイン人植民者がパラグアイに来た時グアラニーの人々はどのような選択をしたのか。グアラニーにとってベストの選択ではないが、ミッション(14万人のグアラニーがいたと推定)にいる方が妥協ではあるものの安全であったと判断したのではないか。明治大学の武田先生に貴重な研究成果をご講義して頂きました。
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授業でご紹介頂いた「世界遺産への招待状 パラグアイ ~宣教師たちの夢の跡~」は以下から見ることができます。
http://jp.channel.pandora.tv/channel/video.ptv?ch_userid=fx_keaton&prgid=39087005
第9回目 海外で働くために:プロトコールの基礎知識と外交儀礼(担当教員:坂根宏治氏 )
第10回目 パラグアイにおける農村・都市開発:PCM実践(担当教員:三好崇弘氏)
パラグアイのみならず色々な国や地域で社会開発を行うための手法の一つとしてPCMのご講義をしていただきました。
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第12回目 パラグアイにおける農村・都市開発:PCM実践アドバンス(担当教員:大迫正弘氏)
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PCM研修の成果をもとに、どのように文章に落としこむか、学びをどのように発信するのか大迫講師にご講義頂きました。
第14回目 サバイバルスパニッシュ1+アルファ(担当教員:佐藤ラファエル氏)
ラファエルのクラス
さあ、パラグアイに行くのも間近!グアラニー語とスペイン語、そして歴史的な経緯や社会課題を学んだみなさんは、現地でもっと多くのことを学ぶでしょう。
みなさまの未来に乾杯!そしてご講義を担当下さった先生方に心から感謝申し上げます。
Muchas gracias!
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文責:藤掛洋子